エンジンオイル選定と経費の話2
こんにちは。社長の田中です。
今日はベースオイルの話です。
オイルを選ぶ際に一番最初に考えるべきなのはベースオイルからです。
ベースオイルはAPI:アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)で
細かく分けられています。
https://www.monotaro.com/s/pages/productinfo/base_oil/
ここで問題なのがグループ3です。
分類は合成油、種別は鉱物油なんです・・・
最初、完全に何言ってるのか分からない状態でした。
リンクサイト内の説明を抜粋すると、
グループ3の「100%合成潤滑油(全化学合成油)」とは、鉱物油でありながら化学合成油に相当する性能の合成油のこと。 水素化分解によって鉱物油の不純物を完全に除外し、鉱物油の長所と化学合成油の性能を合わせ持ったベースオイルを作ります。
結論を言えば、グループ3というのは本当は鉱物油なんですよね。
でも日本では合成油と言って販売しても良いことになっています。
その為、20l缶で14000円位のT社製エンジンオイル(人気はある)は100%化学合成油をうたいながら
実はグループ3の鉱物油エンジンオイルなんです。(←こういうのが揉める原因でアメリカでは裁判になったらしい)
これらを昨日話した良いオイルに分類するか、普通のオイルに分類するか様々です。
ちなみにヨーロッパでは鉱物油と言って販売しなければならないオイルだそうなので、
それに倣い、グループ3は普通のオイルに分類すべきと考えています。
ベースオイルだけで分けるのは乱暴に思われるかもしれません。
グループ3でも良いオイルはたくさんあるでしょう。
しかしあるオイル開発者の論文によると、
オイルにおける最も重要なファクターは添加剤よりもベースオイルだ、との考察からです。
にもかかわらず、鉱物油を100%化学合成油として売っている販社のやり方は
消費者の一人として詐欺に限りなく近いと感じています。
ギリギリ許せる表記で「全合成油」までだと思っています。
そして実際、日本の整備工場で使われる一般的なエンジンオイルはグループ2~3が多いと思います。
つまりほとんどの人は実のところ鉱物油(普通)を選んでいるわけです。
そこが決まったところで、次回はグループ3以下(普通)のグレードと動粘度となります。
次回もよろしくお願いします。